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脳は衝動買いするようにできている

衝動買いをするメカニズム

みなさんは、今すぐお金がもらえるとして、10万円と20万円、どちらが欲しいでしょうか?こう聞くと、意味深な心理テストを疑わない限り、10人が10人20万円が欲しいと答えます。

しかし、目の前に10万円を並べ、「今すぐこの10万円持って帰っていただけますが、1ヶ月待ってもらえると20万円お渡しできます」となると、20万円を選ぶ人は半分以下に減ります。

1ヶ月でお金が倍になる錬金術はありません。なので合理的に考えれば1ヶ月待って20万円もらう方が得なのは誰にとっても明らかです。なのに、なぜ1ヶ月待つことができないのでしょうか?

行動経済学では、これを「限定合理性」と呼んでいます。人は将来について建設的な考えができる能力がありますが、その合理性には限界があり、目の前に現実に報酬や誘惑が現れると、それを逃すまいと脳が切り替わるというものです。

この、「今すぐの報酬や誘惑に負けやすい脳」が発達したのには理由があります。そもそも大昔において、未来の報酬は日々の暮らしに必要ありませんでした。飢えをしのぐためには、獲物を狩り、すぐ食べるか、せいぜい明日の分までとっておく程度。10年先に備えることなど考えることもなかったでしょう。

ただし、現在ではこの「目の前の報酬を逃したくない」脳のせいで、例えば給料前なのに食後にケーキセットを注文してしまったり、将来の家計の安定を無視して新しい車を注文してしまったり、バカ高い利率がつくクレジットカードのリボ払いで服を買いまくったりしてしまうのです。

では、この誘惑に負けてしまう脳の働きをコントロールすることはできないのでしょうか?

幸運なことに、人が誘惑に負けてしまう時は、次の二つの場合であることがわかっています。それは、「報酬がすぐ手に入ること」と「報酬が実際に目の前にあること」です。つまり、人とその報酬の間にある程度の距離があれば、人は合理的な選択ができるようになるのです。

冒頭の10万円と20万円の実験、「ほんとかな?私なら1ヶ月待っても20万円選ぶけど」と思った人も多いのではないでしょうか。ほとんどの人はそう思うと思いますが、実際目の前に10万円があると、1ヶ月が途端に長く感じられ、人はいとも簡単に目の前のお金を選んでしまうものなのです。

このことは、今の自分に自己嫌悪を感じている人、将来にとって貯金などもっと建設的なことをしたいと考えてる人に、実践的なヒントを与えてくれます。これからいくつかご紹介しますので、ぜひ実践してみてください。

 

A. お菓子は棚にしまう

ある実験によると、お菓子をデスクの上ではなく見えないところに置くと、消費量が3分の1に減ったそうです。特に金庫などに入れたわけでもなく、棚を開けるとすぐ取れるのにもかかわらず、実際には見えなくするだけで誘惑されなくなったのです。毎日の嗜好品代を少なくしたい方には有効な方法です。

B. ショッピングサイトをお気に入りから外し、パスワードを記憶させない

Amazonや楽天などのショッピングサイトは、本当に「今の欲望を逃させない」ための工夫をすごくしているなと感心してしまいます。1クリックで品物がすぐ手に入るし、ふんだんな写真やレビューで品物が実際に目の前にあるかのようにアピールしています。おまけにクレジットカード払いにしておくと誘惑に負ける確率は跳ね上がり、実際に店舗で見たときは買わなかったものを、家に帰ってネットで買ってしまうのも仕方ないでしょう。

ここでも、少し距離を取るだけで衝動買いは抑えられます。まず、お気に入りからショッピングサイトを削除し、毎回検索しパスワードをきちんと入力しなければならないようにします。パスワードもこの際長くて頑強なものにしてしまえば、セキュリティーも向上して一石二鳥でしょう。ただし、パスワードをコピー&ペーストすると意味がないので、直接打つようにしましょう。

C. 10分待つ

たった10分待つだけで、脳はそれを今の報酬ではなく、将来の報酬とみなします。次衝動的に何かを欲しくなった場合、どんなものでも10分待ってみましょう。できればその10分の間、そのもの自体から距離をとって目に入らないようにし、それを買うことによって失うもの、買わないことによって得られるものを考えてみてください。その10分が経ってまだ欲しいと思えれば、買ってしまっていいでしょう。

 

このように、そのものと距離を取るちょっとした工夫で、無駄なものの衝動買いは抑えられます。みなさんも他に「誘惑と距離を取る方法」を見つけてみてください。

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