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モノか?経験か?

モノか?経験か?

買い物の満足度と生活の幸福感の違い

車、時計、住宅などに代表される物質的な買い物は、やがて買った時の満足が薄れて行くと思われがちですが、実際はそのものに対する満足度は、3年後や5年後といった長い期間を経ても高いままということがわかっています。例えば狭いアパートで節約を続け、夢のマイホームを買った5年後、自分の家に対する満足度は買った当初より若干薄れはしますが、それでも高いレベルを維持するということです。

ただし、この結果には一つ問題があり、家の満足度は上がっても、生活の幸福感は上がらないこともわかっています。つまり、当初不満があるアパート暮らしの人の、家に対する満足度が2、生活の幸福度が5だった場合、新しい家に住んでも、家への満足度は8に上がるかもしれないが、生活の幸福度は依然として5のまま、ということです。

このことは、特に、収入は普通にあるけど生活に幸福感を感じれない人に、新しい買い物の考え方の必要性を示唆しています。

少し時間をとって考えてみてください。まず、実際に手で触れられる『モノ』、例えば車や宝石、ブランド品や家電などを買った時のことを思い出します。次に、旅行やスポーツ観戦、コンサート、大切な人との食事など、思い出に残っている『経験』を思い浮かべてみましょう。

レジャーにお金を使う人の方が幸福度は高い

ウィンスコンシン大学のトーマス・デレイア教授らの研究では、支出の項目の中で幸福度との関連が見つかったのは、住宅費でも家電でも嗜好品でもなく、唯一スポーツ観戦や旅行、映画などの「レジャー」でした。

上で、『モノ』を買った時と『経験』をそれぞれ思い出してもらいましたが、『モノ』を買った時は、それを初めて手に取った時の喜びや興奮などを感じたのではないでしょうか?一方で『経験』はいかがだったでしょう?もしあなたがじっくり考えてくれていたのであれば、楽しさや喜びの他に、一緒にいた友人や恋人、光景、音や匂いまで思い出せたはずです。どちらの買い物があなたを幸せにしたでしょう?

『モノ』と『経験』は、その後の後悔の仕方にも大きな違いがあります。どれが自分に取って価値あるものか自覚するのは容易なモノ、例えばテレビであれば、価値があるものは、より美しい画質、より洗練されたデザイン、より大きい画面、などでしょう。結局、自分の買ったモノが他人の製品より劣っているか不安に駆られるのは、珍しいことではありません。その結果、物質的な買い物は後から買ったことを後悔する可能性が高くなってしまいます。

一方、例えば『ハワイ旅行』より『温泉旅行』の方が好きという人もいるでしょうし、『スポーツ観戦』している時に、『音楽鑑賞』をしている友人と自分を比較しようとは思わないものです。経験は比較するのが難しい分、後悔というネガティブな感情から私たちを遠ざけてくれます。

もう一つ、コーネル大学の調査では、初対面同士の会話の場合、(これは私の経験とも一致しますが)経験的な買い物をした人同士の方が会話が弾み、相手に好感を感じさえしたそうです。

人生を豊かにする経験の基準

経験的な買い物がもたらすメリットは、モノがもたらす喜びや興奮より抽象的であることが多いので、ある程度時間が経ってからの方がその価値がわかりやすくなります。後から振り返った時、その経験が自分の価値観に大きな影響を与えていたと気づくこともあるかもしれませんし、逆に、後から思い返した時、自分がこういう人だったからこそ、当時その経験を選んだと気づくこともあるでしょう。

どんな経験を選ぶかは自由ですが、最後に、エリザベス・ダンとマイケル・ノートン著『幸せをお金で買う5つの授業』で提案されている、払ったお金に対してもっとも大きな喜びを得られる経験の4つの基準をご紹介します。

  • 他の人々と交わることによって、社会的な繋がりが生まれるような経験。
  • この先何年にもわたって楽しい気持ちで繰り返し語ることができる経験。
  • 自分が思い浮かべる理想の自分像に密接に結びつく経験。
  • 他の選択肢と簡単に比較することができない滅多にないチャンスを与えてくれる経験。

金銭のことだけを考えると、手元に何も残らない観劇や旅行に何万も払うのは合理的でないかもしれませんが、上の基準を満たすものは後になるほどあなたの人生にプラスに作用してくれます。

もし今度新しい家電やブランド品を見つけた時、それらの誘惑のせいで経験がもたらす恩恵を逃してしまわないか、少し考えてみてください。

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