毎月分配金の投資信託

毎月分配型の商品で資産は運用できない

なぜか日本人に人気の『毎月分配型』の投資信託ですが、退職金でこの毎月分配型の商品を買ったけど、最近分配金がかなり少なくなってきたと感じている方も多いのではないでしょうか?

結論から言うとこの商品で資産運用はすべきではありません。本日はその理由をご紹介します。

1. 複利効果がまったく期待できない

まず、金融商品の利息の付き方には2種類ありますが、それが「単利」と「複利」と言われるものです。単利とは元本だけに利息がつくもの、複利とは元本についた利息にも利息がついていくものです。

例えば、100万円を3%で運用すると、単利の場合、1年目に3万円の利息、2年目も3万円の利息…と言うふうに、毎年3万円ずつ利益が出ることになります。

一方、複利の場合は、1年目は同じく3万円の利息がつきますが、2年目は100万円+1年目の利息3万円で計103万円に3%の利息、つまり3万900円の利息がつきます。3年目は106万900円に3%の利息で3万1,827円の利息、合計109万2,727円…。

この商品を20年間運用すると、単利では60万円の利息ですが、複利では80万6,111円もの利息がつく計算になります。

このように、金融商品は長期間複利で運用することによって、指数関数的に資産を増やしていくことができます。

しかし、こまめに分配金が出る商品だとどうなるでしょう?

100万円に3万円の利息がついて、3万円分配金として受け取ると、次の年もスタートが100万円なので同じように3万円の利息、それを分配・・・と言うように、利息が利息を呼ぶ前に受け取ることになってしまい、複利効果がまったく期待できなくなります。

2. 毎年分配金を受け取るよりさらに損

毎月分配型の欠点は、複利効果が見込めない上に、1年に1回利息を受け取るよりさらに損になることです。

詳しい計算は控えますが、1年後の分配金に課税される場合に比べ、毎月分配型は1ヶ月ごとに分配金を出す都合上、毎月課税、つまり1年で12回課税されます。課税のタイミングが早い分、投資資産が少なくなるので、さらに利益をあげることが難しくなります。

このように、投資で資産を増やす場合、分配金を受け取る頻度を極力少なくすることが大切になります。

3. 運用がうまくいかない場合、資産を切り崩すケースもあり

毎月一定の額の分配金を支払う投資信託もありますが、運用が上手くいってプラスになっているならまだしも、上手くいかなかった場合はどうなるのでしょうか?

つまり、100万円の商品を3%で運用できれば、3万円の分配金が出せますが、運用が現状維持で1年後も100万円だった場合は?

もうお分かりの方もいらっしゃると思いますが、運用で分配金が出せない場合、預けている元本を切り崩して分配することになります。つまり、100万円から3万円を分配して、資産は97万円になると言うことです。

現状維持ならまだしも、運用が上手くいかず100万円が90万円になった場合も、そこから3万円分配すれば、残りの資産は87万円となります。

元本が減っていくと、同じように分配金を払うことは難しくなります。

なぜなら、同じ3%で運用できたとしても、元本100万円では3万円の利息がつくのに対し、元本87万円では2万6,100円の利息しかつかないからです。

このようにして、資産も分配金もどんどん減っていくことになります。

まとめ

毎月分配型の投資信託は、紹介したように運用の利回りという点でも非常に損なのですが、他にも、手数料が非常に高い、商品構成がリスク資産に偏っているなど、様々なデメリットがあります。

正直、毎月分配型の商品をお持ちで当事務所に相談に来られた方には、よっぽどの理由がない限り、すぐに解約することをオススメしています。

このように、実際にはいい商品とは言えないのに、なぜか人気の商品はたくさんあります。これは端的にいうと、金融機関が売りたいものを買わされる人が多いことが原因だと言えるのですが、実は投資の初心者でも簡単にできる商品の見極め法があります。

次週では、誰でも簡単にできる、安心な投資信託の見極め方をご紹介します。

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