自己投資は投資にならない?

株式投資、不動産投資、金や絵画など、投資の種類は色々ありますが、一番大切なのは自分への投資、つまり自己投資とよく言われます。しかし、残念ながら自己投資をしても将来の収入が増えるとは限らないのが現実です。今回は、少し厳しいテーマになりますが、自己投資という落とし穴についてご紹介します。

そもそも自己投資が報われるとは限らない

「一番確実にリターンを得られる投資は、自分への投資だ」とよく言われますが、その投資の大半は残念ながら収入アップにつながらず無駄になっているという厳しい現実もあります。

そもそも、「自己投資」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

ビジネスマンとして出世コースを走るために、高額のセミナーに参加してみたり、起業して成功するために経営学を学ぶといったことを思い浮かべる人は多いでしょうが、実際に有名な成功哲学セミナーに行ったり、社会人の勉強会に行ってから、みるみる出世したという人は、周りを見渡しても少ないのではないでしょうか?

もちろん理想の生活を手に入れる人も中にはいますが、100人いて100人出世競争に勝てるわけではありませんし、新しい会社の7割は3年以内に倒産し、10年続く会社は10%未満と言われています。

自分に投資しても、実際に成功したりエリートになれる人は限られてしまいます。

それは本当に自己投資?

自己投資というと、「資格」を取ることと考える方も多いと思いますが、ここではその中でも代表的な「英語」について考えてみたいと思います。

社会人からキャリアアップのために英会話学校などに通う人も多いですが、英会話学校に通って英語をマスターできる人というのは本当に一握りです。

これは単純に勉強時間の問題からです。

英語初心者の方が、TOEICで900点程度の英語力を身につけるには、4,000時間程度の学習が必要と言われています。例えば週2回2時間英会話学校で英語に触れるとして、1年間で200時間。20年かかる計算になります。

英会話学校以外でも、毎日2時間勉強したとして、年間700時間強、5~6年かかります。社会人の方で毎日2時間勉強時間を取れる人は稀でしょうし、もし確保できて英語が堪能になっても、活かせるかどうかは依然不明です。

普通の会社員の方でも、そもそも海外と取引のない会社に勤めている方にとっては給料のアップには繋がりませんし、どれほど英語を使う機会があるのかもわかりません。

もちろん、趣味として英会話を週に2回程度楽しむという目的であれば、まったく問題はありません。私もテニスを週1回はやっていますが、プロを目指したりお金を稼ぐ目的ではないので、それと同じです。

これは、他の有名な資格にも当てはまります。例えば比較的難易度が高くない、簿記や漢字検定、宅建などは、資格をとっても将来の収入が増えるかどうかはわからないものです。

「人的資本の投資」というと、これは必要な支出と思ってしまいがちですが、どちらかというとこうった資格系は、趣味・娯楽費に分類される項目というのは覚えておいていただきたい事項です。

確実な自己投資は?

では、確実な自己投資とは何でしょうか?

確実な、というのはとても難しいですが、どなたにも必ず見返りがある投資先といえば、「健康への投資」となるでしょう。大病を患えばそれだけ収入は減りますし、キャリアという点からも遅れを取ることになります。

また、20代30代の頃に不規則で偏った生活をしていると、40代の働き盛りになった時に体が思うようにならず、周りの仕事の速さについていけなくなるかもしれません。疲れやすい体か、そうでないかは、とても大きな差です。

ジムに行ってマッチョになったり、フルマラソンに挑戦したりする必要はありませんが、健康のために、運動・食事・睡眠への投資はわずかでも続けていきましょう。

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今回は自己投資のマイナス面を書きましたが、社会人になってからも勉強する意欲を持ち自分でアクションを起こせるというのは、とても素晴らしいことだと思っています。

ただ、今回お伝えしたいのは、自己投資で結果を出すにはそれ相応の労力が必要なことと、「投資」や「自己投資」というと、ついつい自分を甘やかして財布の紐を緩めてしまいがちになるということを自覚していただきたいということです。その意味では、決まったメンバーでの飲み会を「交際費」として投資に分類してしまう心理と似ているかもしれません。

世の中には、「この資格を取ったら転職に有利」や「このセミナーで人生が変わる」などという広告が溢れていますが、それが本当に自分にとってプラスになるのか、一度じっくり考えてみましょう。

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