コストと税金

資産運用は「手数料」と「税金」にこだわる

現金・貯金以外に何か資産運用を始めたいと思っても、何を買ったらいいのかわからないという人は多いです。しかし、金融商品を選ぶに当たって、必ず覚えておいた方がいいポイントがあります。それは、運用成績にダイレクトに影響する「コスト」と「税金」は、低く抑えれば抑えるほど良い、ということです。

これは、投資経験の長短に関わらず見落としがちですが、なぜこの「手数料」と「税金」が大事になるかといえば、普通、資産運用では、前もってその商品のリターンがいくらか予想することはできませんし、また本当にリターンが出るのかすらわかりません。一方で、手数料と税金は、事前に数字がわかっているので、その数字によって、運用を続ける間どの程度足を引っ張るのかが決まってしまうからです。

本コラムでは、この「コスト」と「税金」について、お話しして行きます。

コストには販売手数料と信託報酬がある

金融商品には様々なものがありますが、ここでは初心者でも始めやすい投資信託について考えてみます。

投資信託のコストには、購入時にかかる「販売手数料」と、その投資信託を保有している間ずっとかかる「信託報酬」があります。まずこの2つの数値を確認しましょう。最近では販売手数料が無料のノーロードと呼ばれる商品も増えてきています。

例えば、次のA,B二つの商品を比べてみます。

  • A. 販売手数料 3.0%、信託報酬 2.0%
  • B. 販売手数料 無料、信託報酬0.5%

投資信託には、販売手数料が高ければ信託報酬が安い、といった関係はあまりありません。販売手数料が安ければ、信託報酬も安いのが一般的です。

上のA,Bの投資信託に、それぞれ1,000万円ずつ投資して、仮に二つが全く同じ動きをしたとします。その場合、1年後の収益はAが32万円少なくなります。信託報酬は毎年かかるので、運用期間が長ければさらに差はつきます。上の例だと、10年後で53万円、20年後で87万円、30年後で141万円の差がついてきます。

もちろんAの運用がBより非常にうまく行くこともあるでしょうが、例えばランダムに選んだ馬が1,000m走る場合、始めから100mのハンデがついている馬がいるなら、その馬が勝つと思うのが普通ではないでしょうか?

この、コストが低い商品で覚えておいて欲しいのが、インデックスファンドという商品です。インデックスファンドとは、日経平均株価やTOPIXなど、市場全体の動きを示す指標に連動する投資信託です。一般的にこのインデックスファンドのコストは、他のアクティブファンドと呼ばれるものに比べ、非常に低く設定されています。

税制優遇制度は率先して利用する

2010年代から、政府が次々と税制優遇制度を打ち出しているのをご存知でしょうか?これらは、所得税や運用益にかかる税金が非課税になる、非常に有利な制度です。

例えば、100万円で金融商品を買い、150万円で売った場合、運用益は50万円となります。本来ならばこの50万円に対し、20%(平成49年までは20.315%)の税金、つまり50万円 × 20% = 10万円の税金がかかります。よって、実際に受け取れる利益は40万円になるのですが、税制優遇制度を使えば、運用益に税金がかからないので、50万円の利益をまるまる受け取ることができます。

運用を長く続ければ続けるほど、この20%は運用成績に大きな差を生みます。はっきりいって、非課税で運用できる制度があるなら、これを使わないのは非常に損と言えます。

この税制優遇制度には、現状では企業型確定拠出年金と、その個人型のiDeCo、そしてNISAがあり、2018年1月からは新たにつみたてNISAが加わります。

老後資金を貯めたい人は、企業型確定拠出年金かiDeCo、それ以外の用途でも使いたい人は、NISAかつみたてNISAの利用を検討してみましょう。

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コストと税金に分けてお話ししましたが、実は確定拠出年金やNISA、つみたてNISAで購入できる商品の中に、インデックスファンドはあります。つまり、それらの商品は低コストで税制優遇が確定している商品です。投資を初めてみたい人は、是非それらの商品から検討してみてください。

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