つみたてNISAの勧め(3)

つみたてNISAの勧め(3) ~ 厳選された優良商品

投資を始めるにあたり、「どの商品を買えばいいか?」ということは一番大きな問題ですが、つみたてNISAで扱う商品は比較的リスクが少なく手数料が少ないものが厳選されています。手数料は金融機関の利益になるので、国が推進する制度で厳しく手数料の制限を決めることには、大きな反対があったようです。しかし、そこまで反対があったにもかかわらずこの制度を推し進めたところに、国民の資産運用のバランスをよくしたい、という国の本気度が見て取れます。

では、「つみたてNISA」で扱っていい商品になるには、どのような条件をクリアする必要があるのか、見ていきましょう。

共通で必要になる条件

  • 信託契約期間が無期限または20年以上であること
  • 分配頻度が毎月でないこと

信託契約期間が5年、10年と決められている場合、期間終了になるとその時の価格で売らなければなりません。もちろん得する時もあれば、損をする時もあります。しかし、つみたてNISAで扱う商品は、少なくとも20年間は強制的に売らなくてもいいものだけになります。自分で売るタイミングを決める必要はありますが、お金が必要になる5年程前から売るタイミングを見ておけば、大きく損をするリスクは減らせるでしょう。

2つ目の分配頻度ですが、一時期人気だった毎月分配型の商品は、長期的に資産が増えて行かないという問題がありました。そもそも積立型のメリットは、資産にいくらか利回りがついて利益が出て、その利益にさらに利回りがつき、資産が雪だるま式に増えていくことに特徴があるのですが、毎月分配型だと利益が出た時に還元してしまうので、つみたての良さが活かせません。これも消費者側に立った規制と言えます。

インデックスファンドに必要な条件

  • 販売手数料がノーロードであること
  • 信託報酬が国内資産対象では0.5%以下、海外資産対象では0.75%以下のもの

投資信託には大きく分けて、インデックスファンドとアクティブファンドがありますが、インデックスファンドは日経平均やTOPIX、S&P500など有名な株価指数と同じ動きをすることを目指して運用されている投資信託、アクティブファンドはそれを超えるパフォーマンスを目指す投資信託、となります。

つみたてNISAにおけるインデックスファンドは、販売手数料や解約手数料がゼロになっています。また、信託報酬とは商品を保有している間毎年かかる手数料ですが、一般に売られているファンドの中には2%を超えるものもあります。あまり意識されることはありませんが、例えば300万円の資産を保有している場合、2%の信託報酬であれば、毎年6万円が手数料として取られます。

金融機関は、この手数料で利益を出そうとしているのが現状なので、この規制は一般の個人投資家にとっては非常に良心的なものだと言えます。

アクティブファンドに必要な条件

  • 総資産額が50億円以上で、信託設定以降、5年以上経過
  • 信託期間のうち、資金流入超の回数が2/3以上であること
  • 販売手数料がノーロードであること
  • 信託報酬が国内資産対象では1%以下、海外資産対象では1.5%以下のもの

アクティブファンドは、前述の通りTOPIXなどの市場の平均を超えるパフォーマンスを目指して運用されています。

上記の条件の上二つは、要するに、今まである程度実績があり、今後も長く続くことが予想される商品が選ばれているし、今後、つみたてNISAに選ばれるために、新たにアクティブファンドが乱立するのを防いでいる条件と言えます。

販売手数料がノーロードというのは同じですが、信託報酬もアクティブファンドにしては低い条件となっています。

しかし、いくらプロが市場平均を超える運用を目指すと言っても、長期的に見れば、ほとんどのアクティブファンドはインデックスファンドと同等か、それ以下のパフォーマンスしか残せていないのが現実です。

この条件に選ばれるアクティブファンドは非常に貴重だと思いますが、つみたてNISAを利用するならば、あえてアクティブファンドを選ぶ必要はないと思えます。

 

他にもいくつか条件はあるのですが、特に手数料の問題などは、今まで販売手数料や信託報酬メインで利益を上げてきた金融機関への是正勧告とも取れる条件となっています。

現在日本には約6,000の投資信託がありますが、つみたてNISAの条件を満たす投資信託は120本程度となる予想です。個人投資家にとっては、下手に手数料の高い商品を勧められる心配がないという理由だけでも、ぜひ活用していただきたい制度です。

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