つみたてNISAの勧め(2)

つみたてNISAの勧め(2) ~ なぜ積立方式か

前回の『つみたてNISAの勧め』では、運用益に対する税金がゼロになることによって、いかに資産運用にプラスになるかをお話しし、最後に毎年3%の利益は本当に出せるのかという疑問で締めくくりました。

結論からいうと、毎年安定的に3%の利益を出すことは不可能ですが、適切な投資信託にコツコツ積み立てれば、年平均3%の利益はなんら難しい数字ではありません。

まずこの「適切な投資信託」に関してですが、つみたてNISAで購入できる商品は、現在日本に6,000弱ある投資信託の中で、厳しい条件を満たした約120本程度に絞られる予定です。基準としては、手数料が安く、ある程度実績があり信用できるものが選ばれていますが、このあたりの条件は本当によく考えられているので、次回詳しくご紹介する予定です。

しかし、先に言ってしまうと、つみたてNISAで購入できる商品のうち、インデックスファンドを選べば「適切な投資信託」という条件はほぼ満たしていると考えていいでしょう。

次に大事なことが、「コツコツ積み立てる」という投資手法。これは忙しいビジネスマンにこそおすすめしたい方法です。詳しくは以前、サラリーマンが知っておくべき確定拠出年金の事実(下)で紹介しましたが、この、毎月一定額で同じ商品を買い続けるという手法は、「ドル・コスト平均法」という名で広く知られています。

この手法の一番のメリットは、毎月一定額を商品に投資するため、「商品が高い時は少なく、商品が安い時には多く買う」という戦略を自動的に行えることです。例えば、毎月1万円ずつ積み立てるとして、ある商品が一口100円なら、100口買うことができます。翌月その商品が値上がりして1口200円になれば、購入個数は50口と買い控えることができ、さらにその翌月50円に値下がれば、200口と大量に買うことができます。

上記の例は、購入期間は3ヶ月と短いですが、3万円払って買えた商品は350口、平均取得単価は約85.7円/口です。

これを、「毎月必ず100口買う」と決めていた場合と比べてみましょう。一口100円の時は1万円かかり、翌月一口200円になれば2万円かかります。50円になれば5,000円。購入数は100口×3ヶ月の300口で、払った金額は3万5,000円となり、平均取得単価は116.7円/口となります。

このように、毎月一定額を買うドル・コスト平均法であれば、平均取得単価を下げることができ、結果、例えば商品が同じ一口200円の時に売ったとしても、116.7円で買ったものより85.7円で買ったものを売った方が利益が大きい、という理屈になります。

また、この方法は、極端な高値買いのリスクも軽減してくれます。例えば100万円を投資したとします。後から思えば株価がすごく高い時(例えばバブル期)に100万円全部を投資してしまうと、その後株価が上がるまで、いつ売っても損をする状況が続きます。しかし、毎月1万円ずつ、100ヶ月に分けて投資すると、そのリスクを大幅に減らせます。

もちろん、この手法にはデメリットもあります。一番利益がでる売買は、株価が底値の時に一気に買い、その株価が高値の時に一気に売る、という方法ですが、その「底値で買う」という方法が取れません。

しかし、本業のトレーダーでもない限り、いつ底値が来るかこまめにチェックするということは、時間的にも精神的にもおすすめできるものでもありません。

最後に、直近12年間、積立投資をした場合の資産の推移をご紹介します。ちなみに、なぜ2005年という中途半端な時期からかというと、私が就職して証券口座を開いたのが2005年なので、それ以前のデータが入手できなかったからです(汗)。

日経平均株価

この間は、リーマンショックや東日本大震災もあり、一見すると投資をするのに適切な時期には見えません。しかし、この日経平均株価に連動する投資信託を1ヶ月1万円ずつ購入し続けた場合の、資産の推移は、以下のようになります。

ドルコスト平均法

青い線が投資元本で、緑の資産推移は、一時的に不況の時はその元本を下回っていますが、安い時に大量に買うという戦略を長期で行なっていたため、株価が回復すると同時に大きく利益を伸ばしています。

2017年9月の段階では、この間の投資元本に対する利益は、159.6%、年率に換算すると、約7.5%となっています。

いかがでしょうか?今後株がどのような値動きをするかは誰にもわかりませんが、この12年間で年率7.5%の成績ならば、今後3%の利益を期待することは、それほど非現実的なことではないのではないでしょうか?

 

 

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