資産運用の重要性は低い

資産運用に期待しすぎない

超低金利時代が長く続き、資産運用の大切さをアピールするニュースや雑誌の記事が目立ちますが、家計への経済的な影響で言えば、資産運用の重要度はそれほど高くありません。むしろ怖いのは、銀行預金では資産が増えないと言われ、知識のないまま株や投資信託を始めてしまうことです。

資産運用の本来の意味は、お金を増やすことではなく、リスクを分散させることにあります。今回のコラムでは、そのことについてご紹介します。

資産運用の影響は小さい

日本人の平均貯蓄額は『1,820万円』、20代から40代では?」で書いた通り、日本人の平均貯蓄額は1,820万円ながら、20代では184万円、30代では395万円にとどまっていました。

仮に30代の人が、300万円の資産を1%の利回りで運用した場合、その額は年間3万円です。投資というと、300万が2倍、3倍になるというイメージを持っている人もいますが、そういう商品は資産を失ってしまう恐れもある、ギャンブルに限りなく近いものです。現実的には、今の時代、リスクを抑えつつ1%の利回りを確保するのはなかなか大変なことです。

確かに自分が働くことなく得られるという点では、3万円というのはありがたい金額ではありますが、月々に換算すると2,500円。残業をする、副業をしてみる、または携帯のプランを見直してみる、といったことに比べて、家計への影響度は低いと言えるでしょう。

影響が大きいものから考える

資産がまだ多くない段階では、運用よりも他の要素を改善した方が、家計の改善には効果的です。

一番影響が大きいのは、やはり収入です。本業での収入を増やす努力を続けることはもちろんですが、自由に使える時間があれば副業で収入を増やすことを考えてもいいでしょう。配偶者がいるならば、パートタイムでも共働きができれば、世帯収入は大きく変わってきます。

次に考えたいのが、支出の管理です。特に、「無駄な固定費リスト(1)(2)」で紹介したように、固定費を見直すことによって、月に数万円節約できる人もいます。運用で月々2,500円増やすより、節約で月々3,000円浮かす方が、はるかに簡単で確実です。

支出の管理と貯金の習慣が身についたら、住居費や保険、教育費、自動車に関して、順に考えて行きましょう。住居費は物件選びや家賃交渉、また住宅ローン金利などで月々の支出が大きく変わりますし、生命保険も多額の終身保険などに加入してしまうと、家計を圧迫する原因となります。

そうやって人生の大きな支出を考え、資産が増えてくるにしたがって、運用の重要度も増してきます。極端な例ですが、資産が5,000万円に増えた場合、1%で運用すると50万円となり、決して少ない金額では無くなります。

あくまで資産運用はリスクの分散がメイン

ただし、運用による利益が少なくない金額になったとしても、過度に期待しすぎるのは禁物です。「豊かな人生」「ゆとりある老後」というスローガンに惹かれ、手数料の高い商品を言われるがままに買ってしまっている人はたくさんいます。

証券用語で、「卵は一つのカゴに盛るな」という格言がある通り、資産運用の本来の意義は、楽をしてお金を増やすことではなく、リスクの分散にあります。

銀行預金だけ持っていたら、将来インフレが起こった時資産が目減りしてしまう、なので株や投資信託を持つことでインフレ時のリスクを減らす。日本の資産だけでは日本が混乱した時、財産を失ってしまう、なので海外の商品も持っておこう。と、何が起こっても資産を大きく減らさないようにするために、色々な商品を保有することを考えるのが大切な心得です。

私としては、運用による利息や利回りは、おまけ程度に考えておく方がいいと考えています。

 

資産運用の知識は確かに必要ですが、お金のリテラシー=運用の知識ではありません。特に若いうちは、自分の労働の価値を高めたり、無駄な支出を減らすといった、運用に行く前の、元手を増やす分野に力を入れてみてください。

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