金融商品の選択基準

商品選択の基準 – 『流動性』『収益性』『安全性』

金融商品を比較する場合、是非知っておいていただきたい基本知識があります。それが、『流動性』『収益性』『安全性』の3つの意味。この3つの用語の意味が理解できると、セールスマンが勧めてくる商品の良し悪しを自分で判断できるようになります。

この3つは、お互いにトレードオフの関係なので、例えば『流動性』が高ければ他の2つのうち少なくとも1つは低くなり、『安全性』『流動性』が高ければ『収益性』はとても低くなります。

では、一つずつ具体的に見ていきましょう。

流動性(換金性)

流動性と換金性は、ほとんど同じ意味と考えていただいて問題ありません。流動性が高いとは、お金をすぐ引き出せたり現金化できるという意味です。

商品によって、売ってからお金になるまでの日数が異なるのが普通ですし、物によっては解約手数料がかかるものもあります。

仮に安全性と収益性が同じ商品の場合、流動性が高いものほど商品の価値は上がります。

流動性が一番高いものは、財布の中の現金やタンス預金ですね。現金そのものなので、収益性(利息)はゼロですし、安全性にも疑問があります。

次に流動性が高いものには、銀行預金やMRFなどがあります。これも銀行やATMに行けばすぐに現金を引き出せるので、流動性は非常に高い。ただし、タンス預金よりは少し低いので、わずかですが収益性(利息)があります。

逆に、個人年金保険などは途中で解約すると解約控除という手数料が取られるので、流動性は高くありません。また、専門家がこぞって勧めている個人型確定拠出年金(iDeCo)に至っては、原則60歳まで引き出すことはできないので、流動性は非常に低いと言わざるを得ません。

 

収益性

収益性は、将来期待できる利益の大きさです。収益性が高いと、残りの安全性と流動性は低くなります。

例えば、定期預金が普通預金より収益性(利息)がいいのは流動性が低いからですし、投資信託の期待リターンが高いのは、預貯金より安全性が低いからです。

仮に流動性と安全性が同じ場合、収益性が高い商品の方が価値は高くなります。同じ証券会社が取り扱う投資信託で、リスクも同じなら、リターンが大きい方がいい商品というのは直感的に理解できると思います。

安全性

安全性は、誰がそのお金を保証してくれているかや、もらえるお金がどれだけ上下するのかというリスクの度合いで決まります。

同じ収益性、流動性の商品があった場合、安全性が高いほど優れた商品になります。

『ローリスク・ローリターン』『ハイリスク・ハイリターン』という言葉があるように、安全性が高い商品は収益性が低く、安全性が低い商品は収益性が高いのが普通です。

世の中には『ローリスク・ハイリターン』の商品は存在しません。そういううたい文句の商品は詐欺なので、手を出さないようにしましょう。

商品の選択基準

金融商品を選ぶときは、上の3つのどれを重視するか、その配分をよく考えてみる必要があります。特に、収益性と安全性はわかりやすいのですが、流動性は意識することが少ないので注意が必要です。

例えば、流動性が低い商品は収益性が高いことが普通なので、それに目が行ってしまい、流動性が低い商品ばかりでお金を運用するとどうなるでしょう?

当然、お金が必要になった時に、自由にお金を引き出せなくなります。

先週のコラム『個人年金保険を勧めない理由』で書いた個人年金保険は、流動性が低い割に、それほど収益性も高くないことが、お勧めできない大きな理由でした。

いざという時のお金がなければ、生活は非常に不安定になりますので、もし貯金が100万円未満であれば、流動性の低いものには手を出さないようにしましょう。

上の3つの他に、どんな商品で運用を行うか考える場合、『手数料』や『税金』という問題も大きいのですが、これも別の機会にご紹介できればと思います。

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