確定拠出年金(上)

サラリーマンが知っておくべき確定拠出年金の事実(上)

平成29年1月から、iDeCoと言う名前で個人型確定拠出年金が始まったことにより、にわかに注目を集めている確定拠出年金制度ですが、企業では10年以上前からこの制度(の企業型)を導入しているところが多くあります。

ほとんどの会社員の方にとって、この確定拠出年金と言う制度、1年に一回講師の人が来て投資やら商品やらの説明をしては行くものの、ほとんど意味がわからず、次の週になると忘れて放置しているというのが現状ではないでしょうか?

確定拠出年金制度は、知っているのと知らないのでは、将来何百万もの損得が生まれる制度なので、今回は特に企業型確定拠出年金制度を採用している会社に勤めているサラリーマンの方向けに、制度の要点と最低限していただきたいことをお話ししたいと思います。

 

まず、確定拠出年金とは、要するにみなさんの『退職金』のことです。

 

大まかに言えば、会社が毎月みなさんの口座に一定額(平均すると1万5,000円程度)を振り込むので、それを自由に運用して自分たちで退職金を作っていってくださいね、という制度です。

放っておいてもそれなりに資産が増えた一昔ならば、勤続40年なら2,000万円の退職金、というふうに予め額は決まっていたのですが、現在のように、低金利かつ投資の見通しも不透明になると、いつでも決まった退職金を従業員すべてに払うということが難しくなってきました。

確定拠出年金を利用すれば、少なくとも企業側としては、毎月定額を払い続ければ、あとの運用は従業員次第なので、損することはありません。従業員の方としても、運用をうまくすれば、大きな退職金を得ることができます。

 

ここで一つのキーポイントとなるのが、「想定利回り」という言葉です。「予定利率」と表記されていることもあります。

この想定利回り、普通は3%程度ですが、これがどういう意味かというと、「毎月会社が支払っているお金(平均1万5,000円程度)を、3%でみなさんが運用することを期待しています」ということ。もっとはっきり言ってしまえば、

「みなさんが3%で運用すれば、一昔前のみなさんの先輩と同額の退職金が受け取れますよ」

ということです。

なので、福利厚生が手厚い会社ほど、この想定利回り(予定利率)は低くなります。中には想定利回り0%という会社もあります。これは、何も運用しなくても、ただ放っておけば一昔前の水準の退職金がもらえますよということです。

ただ、ほとんどの会社は想定利回りが2~3%となっています。このことを知らず、確定拠出年金でまったく資産運用していないとどうなるでしょう?

例えば、毎月1万5,000円を拠出している会社に勤めているとして、確定拠出年金にまったく関心がなく、25歳で入社してから、元本確保型の、利子がほとんどつかない商品ばかりを35年間買い続けていたとすると、60歳で退職した時に受け取れるお金は、

1万5,000円 × 12ヶ月 × 35年 = 630万円

となります。

では、1万5,000円の拠出を、毎月3%で運用していたら、どれぐらいの金額になるでしょう?言い方を変えると、これまでの先輩社員たちは、同じ仕事をし、同じ勤続年数で、どの程度の退職金をもらっていたのでしょうか?

私の計算が間違っていなければ、年間18万円を年利3%で運用した場合、35年後にはその額は1,106万円になります。

実に500万円近くも差が出てしまいます。

 

このように、確定拠出年金は、何も操作しない場合、同じ仕事をしていたとしても、もらえる退職金が他の人より少なくなってしまうという、お金の知識と情報がダイレクトに影響する制度です。

では、今から何を買えばいいのか?

このことに関しては、次週の『サラリーマンが知っておくべき確定拠出年金の事実(中)』でお話ししたいと思います。

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