どこにお金を預ければいいのか?

どこにお金を預ければいいのか?(1)

以前書いた『目的別貯蓄がナンセンスなワケ』というコラムでは、「老後資金」や「教育資金」などというように、お金の使い方をあらかじめ限定してしまうリスクをお話ししましたが、では結局、貯まったお金はどこに預ければいいのか、また投資すればいいのかということを今回はお伝えしたいと思います。

まずは緊急時生活費

金融資産ゼロから貯金を始める場合、何よりもまず優先して貯めるのがこの緊急時生活費です。これは突然の長期入院、会社の倒産、天災による転職などに備え、必ず確保しておく必要があるお金です。

この資金を預け入れる先は、すぐ引き出すことができる『普通預金』か『通常貯金』が最適です。ちなみに、『普通預金』は銀行などの商品、『通常貯金』はゆうちょ銀行(郵便局)の商品です。

利息がつかないという心配があるかもしれませんが、そもそも普通預金/通常預金は、元本が保証されている*、いつでも引き出せるという、手持ちの現金に限りなく近い性質を持ちます。タンス預金より格段に安全に置いておけるというメリットに注目し、増えるという期待は初めからしないでおきましょう。

「いくら貯めればいいのか?」ですが、1ヶ月の生活費の3ヶ月分(アメリカの文献で多く推奨されている)でOKという人や、東日本大震災での教訓から2年分必要という人もいます。当事務所では「最低3ヶ月分、できれば6ヶ月分、不景気の時は1年分」を目安にしていただいてます。

6ヶ月分の生活費は一般的なご家庭では120万~200万程度になると思います。逆にこの金額が貯まるまでは、資産運用や分散投資など考えず、普通預金/通常預金に専念してください。

シンプルな商品で運用を始める

半年分の生活費が貯まり、多少のリスクを取れる余裕が出てきたら、普通預金/通常預金以外のものも視野に入れていきます。世の中には本当に多種多様の商品がありますが、基本的に自分が理解できない複雑な商品には手を出さず、シンプルなものを買いましょう。

『シンプル』とはどういうことかというと、例えば預金は銀行に預ければ利子がついて返ってきます。非常にわかりやすい。一方、極端な例ですが、『変額個人年金』などの商品は、中身が投資信託の上に保険という性質上、年金原資保証などの保証をつけています。結果、商品開発の保険会社や投資を運用する会社、販売を担当する銀行、保証をつける会社などが関わってくるため、それら全部のコストをみなさんの手数料から払わなければなりません。要するに、わかりにくい商品は買うだけで手数料を取られていく不利な商品ということです。

これからご紹介するのは、そういう手数料が低い『シンプル』な商品がほとんどです。

標準的な分散の割合を言えば、大雑把に『リスクの低い商品』を5割、『少しリスクのある商品』を3割、『中程度のリスク商品』を2割という目安になりますが、この割合は年齢や、どれだけリスクを許容できるか(性格)、生活の安定度などの要因によって変動します。

今回のコラムでは、まず『リスクの低い商品』をご紹介します。

リスクの低い商品

定額貯金・定期預貯金

定期預貯金/定額預金はご存知の通り、普通預金/通常貯金より金利は高くなります。特に定期預貯金は預け入れる期間が選べるのが特徴で、例えば「3年後に留学したい」や「5年後にリフォーム」など、数年先に使うイベント資金を貯めるには最適な商品です。

国内債券(国債)

一般的に、国内の債券の金利は定期預貯金より高いので、同じ期間運用するなら債券を買ったほうが資産は増えます。また、債券の種類にもよりますが、日本国の債券は銀行の預貯金と同じく元本が保証されているので、証券口座を開設して預貯金以外の商品を始めようとする方がはじめて買う商品としてはおすすめのものです。

債券には、国が発行する「国債」、会社が発行する「社債」、地方自治体が発行する「地方債」、財政投融資のために発行される「財投債」などがあります。発行体によってリスクも利率も様々なので、興味がある人は「ムーディーズ」や「S&P」などが実施する格付けなどを参考に、選んでみてください。

調べるのが面倒という人は、「個人向け国債」を買ってみましょう。個人向け国債には

  • 固定3年型
  • 固定5年型
  • 変動10年型

と種類がありますが、ターゲットにすべきなのは最後の「変動10年型」です。

10年間持っていないとダメなの?と思われるかもしれませんが、途中で解約した場合、失う額は過去1年分の金利だけなので、元本を失うことはない商品です。この意味で、個人向け国債は無難に資産運用をしたい方には最適な商品と言えます。

 

次回のコラムでは、シンプルな商品の中から、『少しリスクのある商品』と『中程度のリスク商品』をご紹介したいと思います。

 

*日本の金融商品の中で、元本が保証されるものは、1,000万円以下の預貯金と、日本国の国債の2種類のみ。これ以外で「元本保証」を謳う商品は怪しいと考えてください。

関連記事

  1. 資産運用の重要性は低い

    資産運用に期待しすぎない

  2. ポートフォリオ

    あなたにオススメの資産バランスは?(ポートフォリオ)

  3. コストと税金

    資産運用は「手数料」と「税金」にこだわる

  4. 診断チェック

    あなたにオススメの資産バランスは?(診断チェック付)

  5. 毎月分配金の投資信託

    毎月分配型の商品で資産は運用できない

  6. 商品選択の具体例

    数字に騙されないための、商品比較の例

  7. つみたてNISAの勧め(3)

    つみたてNISAの勧め(3) ~ 厳選された優良商品

  8. 確定拠出年金(上)

    サラリーマンが知っておくべき確定拠出年金の事実(上)

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。