目的別貯蓄がナンセンスなわけ

目的別貯蓄がナンセンスなワケ

マネー本やマネー雑誌なので、「教育資金は○○で貯めよう」や「老後資金は△△がおすすめ!」など、目的別に貯金をすすめているものがあります。

こういう類の提案には一見説得力があるのですが、特に20~30代の若い世代の方にとっては、将来の選択肢を狭めてしまう可能性があるので、少し注意が必要です。

そもそも、お金はお金であって、使い方はいつでも決めれるものです。ある程度の貯蓄があれば、将来必要な時に、必要な分だけ、必要なモノに変えることができます。また、逆の言い方をすれば、後から使い道を決められるからお金は「備え」になるのです。

例えば、老後資金で人気の「個人年金」や、今年1月からスタートした「iDeCo(個人型確定拠出年金)」。この2つの商品は確かに税制面で優遇され、特にiDeCoは老後資金に関してだけ言えば、ベストな選択肢の一つと考えています(個人年金はインフレリスクに対応できないため、若い方におすすめするのは疑問)。

ただし、こういった老後資金のためと謳っている商品には、デメリットがあります。個人年金は満期までに解約してしまうと、手元に戻ってくるお金はこれまで掛けていた元本を下回ることがありますし、iDeCoに関しては、60歳までに引き出すことは大変難しい制度です。

何事もなく老後を迎えられれば問題ないのですが、特に働き方や価値観が多様化している現在の日本において、何十年もの間何事もなく同じような生活を続けれる人は、本当に一握りになっていくはずです。

例えば、本人や家族、大切な友人に、万が一にも大きな病が見つかることがあるかもしれませんし、今の会社の景気が傾けば、給与が大幅に下がったり解雇になる可能性もあります。

また、こういったマイナスの面だけでもなく、将来思わぬ子宝に恵まれるかもしれませんし、今よりやりがいや充実感を求め、友人と新しい会社を設立するかもしれません。どうしても専門技能を身につけたくて、海外留学をしたり、もう一度大学に行きたくなるかもしれません。

そういった時、元本割れする商品を持っていたり、引き出せない(60歳まで自分のものでない)お金で貯蓄しているせいで、行動や選択肢が制限されてしまうのは非常にもったいないことです。

実際にそういう商品に積み立てを続け、もったいないからと住宅ローンを組んでからも積み立てを解約できず、今の生活を楽しめてない方や、20代で友人の紹介で個人年金に加入し、その後仕事を辞めて専門学校に行ったけれども、積立金を払うことに固執し、勉強の時間を削ってまで生活費を稼ぐためバイトしている方などもいらっしゃいます。

確かに将来に備えることは大事ですが、今の生活も同じように大切な時間です。老後のことを考えず今を楽しみましょうというのではなく、老後の生活を重視するあまり、今の生活が貧しいものになってないか、一度見直していただくきっかけになればと思います。

大切なのは、目的に固執するのではなく、「お金」自体を貯蓄する習慣を身につけ、人生で必要になったモノに使っていくこと。突然お金が必要になった時に、借金せずに対応できれば、立派にリスクに備えたお金になりますし、何事もなければ、今まで貯めてきた貯蓄は、その時からでも「教育資金」や「老後資金」になるのです。

 

では、具体的に多目的に使える貯蓄先はどんなものがあるのかについては、また別の記事で。

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